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  副産物 - 2014年02月13日

みなさんこんにちは、ネヴリンです。

ビルトインFCU(ファイアコントロールユニット)の開発をしていて気づいたんですが、
ムズカシイね、あれ。

トライアンドエラーしまくっててなかなか進みません。
終日FCUだけに精力を注げられれば早く進むんでしょうが、そういうわけにもいきませんので。。。

ということで、今回は、FCU作りの中から生まれた副産物をちょろっと紹介します。
と、いっても、ただのFETスイッチですけどねー。


どんなものかというと、コレですね。
シンプルFETスイッチシリーズ#1、「SFET-U」です。(Uはμ(マイクロ)を表すそうです)



本来は、FCUに使うMOSFET素子の耐久性を調べるために作った簡易FET基板なのですが、思いのほか性能も良くて歩留まりもいいので単体で独立することになりました。
実装済み寸法は、10x10x4mmです。※1
※1 第一次ヤフオク出品分は10x10x5mmです。
本記事掲載バージョンとは部品の仕様が異なります。


使用した石は、IR社製の薄くて小さいDirectFET MXシリーズの「IRF6717M」です。(写真右)
6.35x5x0.7mmのくせに、220A※2まで耐えられるスグレモノです。
※2 冷却機使用時連続定格。

表面はIRF6717Mとパワーケーブルだけを載せるので、抵抗やら何やらは裏面に配置します。(写真左)
裏面にはフライホイール用のSBDと、突入電流対策用のコンデンサなどを配置してみました。
SBDはDiodes社製の薄くて高耐久なSBRシリーズの「SBR10U200P5」です。MOSFETに似た構造のダイオードなんだってさ。
はんだパッドの空きスペース(3ヶ所)が配線引き出し用です。表面と合わせて5線式となりますね。



取り付け方法はこんな感じです。
頒布向けに英語になってますが、気にせずに読んでください……。




うちのエンジニアリングサンプル版ではおおむねこういう配線配置。
試作品なので足の色は違いますが、接続図にしたがって配線できます。








回路図の話とパーツリストの話は少し難しいので、ちっちゃくしておきますね。
そして、この基板の設計図をFusionPCBとかElecrowとかに持ち込んで作ってもらえるデータも置いときますね。
興味のある方は読んでください。






      回路図です。





このFETスイッチは、超一般的なアナログ回路です。
ちなみに、FETはモーターのマイナスとバッテリーのマイナス間に置きます。いわゆるローサイド負荷とかエミッタ負荷とかいうやつです。
ハイサイド負荷だと、ゲート電圧に対してドレインソース間電流が釣り合わなくなることが多く、エネルギーロスが大きいので、一般的にFETはこの配置が基本です。
わかりやすく言えば、2人しかいない相手サバゲチーム(=負荷)にこちらが10人の兵力(ゲート電圧)をもって挑んでも、8-9人は戦果が挙げられず走り回って疲れるだけ(エネルギーロスが大きい)です。これがハイサイド配置です。
ローサイド配置は、相手チームが2人と分かってる(負荷が決まっている)ならこっちは10人のうち2人だけぶつける、そしたら参戦者は戦果があげやすく、残りメンバーは休憩してられる(エネルギーロスが少ない)というイメージです。


続いてパーツリスト。

      パーツリスト (パーツ名クリックでデータシートが開きます)
パーツIDメーカーパーツ名用途
U1IRIRF6717MPbF メインMOSFET
D1DiodesSBR10U200P5 フライホイールSBD
D2ロームRB160M-30TR 整流用
C1村田製作所GRM31CC8YA106KA12L10uF突入電流対策
R1パナソニックERJ6ENF1000V100Ωゲート保護
R2パナソニックERJ6ENF1003V100KΩプルダウン抵抗


本FETスイッチにはこのようなパーツを使ってます。
チップ抵抗R1・R2は誤差1%の精密級品でオーバースペックなのですが、デジキーで大人買いしたら単価2円なのでこれを使ってます。もちろん、もっと誤差の大きいもので代替可能です。
コンデンサC1も、ぶっちゃけ1uFもあれば十分なので、3216J(1206E)サイズであれば適当に載せ替えても大丈夫です。
ちなみに、上記パーツは秋月とかマルツでは買えないので、RSコンポーネンツとかデジキーとかマウサーで買ってくださいね。




搭載用のボードは、適当に基板CADで書いたものを使います。
そして、そこで作った基板をSeeedStudioとかElecrowとかに提出して作ってもらえば、同じようなものがいっぱいできるって寸法であります。

https://skydrive.live.com/redir?resid=6ADB9CAF458A09F1%21109

まあそれなりに敷居の高さはあるので、コレ提出すればいける!って状態のデータを貼り付けておきますね。
このデータで4枚取り、切りしろ込みで22x22mmの基板ができます。ピラニア鋸で切って使ってください。
もちろん商用利用もOKとします。改変や再頒布もOKです。個人・ショップさん問わず作っていっぱい転売してください。

なんでこんなライセンスにするかって?
私はオリジナルデータの持ち主だし、もっといいもん作って安く売るから別にいいんだよ。










はい、それでは作り方を紹介します。
気合とお小遣いさえあればほとんどの人ができるカンタンなお仕事で、場合によってはハンダごての出番はありません。


まずは「基板」と「部品」を用意しましょう。
あ、上の開閉ボタン内にレシピがあります。





次に、はんだ付け関係の工具とかを用意しましょう。
(■は必須、□はあったほうがいいものを表します)
■ホットプレート(非IHのもの)
■ヒートガン
■ペーストはんだ
■つまようじ
□フラックス
□ルーペ
□無水アルコール(またはパーツクリーナー)
□ピンセット
□はんだごて



ペーストはんだ
工具類



ペーストはんだ(Solder Paste)は国内では入手困難(できても高い)ので、海外の電子部品商社やeBayで買ってください。
個人で使う分には有鉛でもダイジョブだし、鉛フリーより融点が低くて使いやすいです。40gで3~4ドルくらい。



まずは、つまようじを使って基板にペーストはんだを乗せましょう。
ペーストはんだはかなり粘性が高いので、つまようじの先に少しつけて糸状になったものを基板に乗せる感じですね。
本来はステンシルシートを使うのですが、今回の基板の規模だと塗り忘れはほぼないので不要です。
乗せる量は……下の写真を参考にしてください。これが乗せる量の上限です(むしろ多いです)。
ペーストはんだの半分はフラックスなので、塗った分の約半分が金属はんだになるイメージで載せるといいかもしれません。
乗せるのに失敗したら、無水アルコールやブレーキクリーナーで、ペーストはんだを洗い流します。



はんだを乗せ終えると、部品を基板に乗せます。
乗せ方は多少アバウトで大丈夫です。
……というのも、はんだが溶けると、はんだの表面張力で部品が勝手にパッドに寄ってくれます。




そして、いよいよはんだ付けです。
やり方は簡単です。ホットプレートで焼きます。
コーヒーでも飲みながら適当にやってください。



いわゆる”自宅リフロー”とか”おうちリフロー”とかいう作業です。



スイッチサイエンスさんのこの動画を参考にしてください。



リフローは、230度前後まで温度調節ができる非IHのホットプレートを使ってください。
いろいろやり方はありますが、180度で2~3分予熱し、その後230度で一気に焼き上げます。はんだが溶け始めてから30秒くらい待てば大体ムラなくリフローできています。

また、一度リフローに使用したホットプレートは鉛や有毒有機物が付着するので、絶対に調理には使用しないでください




これで片面の処理が完了しました。

ただし、まだ裏面が残っています。
というか、ここからが真の本番です。
ホットプレートリフローはなかなかつぶしの利くワザなので紹介したんですが、実は次に紹介する方法だけでもはんだ付けはできてしまいます。

それがヒートガンを使った、ホットエアリフローです。

ヒートガンのリフローは温度管理が大変なので、ホットプレートリフローに比べて熱破壊のリスクが高くなりますし、やり方によってははんだ付けにムラが生じてしまいます。
それゆえ、これはホットプレートで焼けない裏面の、しかも局部限定で使う最終手段※3です。……慣れれば超簡単ですけど。

※3 全体をムラなくDIYリフローしようと思ったらオーブントースターを使った方法が
ベストかもしれませんが、改造がなかなか面倒なので割愛します。



やり方は、パーツをヒートガンで炙るだけです。
ただ、一応リフローの温度をイメージして、30秒~1分秒程まで15cm離れたところから熱風で予熱し、その後5cm程度までノズルを近づけ加熱します。



基板の裏側に部品が実装済みなので、傾かないように何かに乗せるとやりやすいです。(写真では毛抜きに載せてます)
また、リフロー台が金属板になっていると熱が反射して温まりやすいです。私はホットプレートの上でやってます。


今回は部品が1つだけで、しかも熱を通しやすいので比較的安全ですが、部品が多くなったり、プラスチックモールドと金属モールドが混ざっていたり、基板サイズが大きいと失敗するリスクは高まります。これだけは注意が必要です。



作業が終わると、冒頭の写真や次のような見た目になります。



最後に、なんかリフローを失敗した箇所とかをはんだごてでスポット修正し、配線作業をすれば完成です。


以上でリフロー作業は終了です。
お疲れ様でした。




今回掲載したFETは絶縁が甘い個所もあるので、サンハヤトのレジスト補修材で絶縁を強化しておきます。
なお、DLできるバージョンはそのような個所を修正したものになりますので、心配せずにご利用ください。








本FETスイッチは、SFETシリーズの最初のバージョンということで、データやレシピを含めて全情報を公開しています。
SFETシリーズは今後、

■本ユニットと同サイズでさらにMOSFET素子を強化した       「SFET-U2 (simple FET μ ULTRA)」
■本ユニットと同構成でスリム化したGATE社製PicoSSRの対抗馬 「SFET-US (simple FET μ Slim)」
■バッテリー電圧監視機能とアクティブブレーキ機能を搭載する   「SFET-ABP (simple FET ActiveBreak w/ Protection)」
■V型マイクロスイッチと寸法的に互換性のあるAB搭載        「SFET-AB-V (simple FET ActiveBreak V-type)」


の展開を予定しています。

基板発注済みなので、今月内に試作品完成、ブログにアップすると思います。



また、本FETユニットは、2月下旬から順次ヤフオクに出品します。
ご入用の方は是非ご購入ください。


あ、ツイッターに進捗状況を載せてますので、見てねー!











スペックを書き忘れていたので追記しておきます。

 最小値標準値最大値
供給電圧:推奨値(V)6.8 14.8
供給電圧:絶対値(V)4.5 25
連続許容電流(A) 30220
FET抵抗(Ω) 0.0016 
 高さ
寸法:配線除く(mm)10±110±14±0.5





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Posted by ネヴリン  at 01:19 │Comments(5)Parts

この記事へのコメント
質問です
効能と効果の詳細が知りたいです('A`)
「SFETを使えばこんなバッテリーまで使えちゃうよー」とか
「エアコキに繋げば1〜6発同時発射に任意切り替え出来ちゃうよー」とか
Posted by すなぼすなぼ at 2014年02月13日 08:29
師匠

スペック書き忘れてました
本文に追記しときます

なお、エアコキに搭載しても作動はしませんが、搭載の高揚感と達成感により、6回コッキングをしてチャンバーに装弾する動作がアドレナリンの大量分泌とともに高速化する可能性があります。
また、オーダーメイドによって絶縁のための熱収縮チューブを赤色のものに変更することも可能です。その場合、さらに3倍の高速化が期待できます。
Posted by ネヴリンネヴリン at 2014年02月13日 12:15
おおー!
もしやSFETをボルトアクションに搭載すればハイサイクルに出来たりするわけだな!?
よし赤い配線でワンロット分オーダーしよう('∀`)
Posted by すなぼすなぼ at 2014年02月13日 13:29
足あとあったのでもしやと思いましたが
お!ついに発売ですか
楽しみにしています^^
Posted by ケーラーケーラー at 2014年02月14日 22:26
もう販売されているのですか?
Posted by 根無草根無草 at 2014年04月06日 09:57
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
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