当ブログは、ユーザー主導でエアソフトガン業界を発展させることを最終目標に掲げるウェブサイトです。
読者様へ情報提供を行うため、私が経験したことや設計した成果物は
可能な限りオープンソース、コピーレフトで公開いたします。積極的にご活用ください。
また、本ブログは色覚に制限がある読者様のために、
赤色と緑色の文字を意図的に避けて記述しています。読みづらいとは存じますが、どうかご理解ください。
VORTEX SPARC II インプレ - 2014年06月26日
みなんさんこんばんは。
ネヴリンです。
今日はVORTEX SPARC II のインプレです。
VORTEX OPTICS社(米国)の製造する、コストパフォーマンスのよいダットサイトです。
SPARC IIは2014年春に発売されたばかりの新製品となります。
参照:VORTEX OPTICS SPARC II Red Dot Sight
国内での流通はあるようですが、まだ情報が少ないですね。
今回は、パチSPARCとSPARC(旧モデル)も併せて比較してみたいと思います。
表記がややこしくなるので、SPARC(旧モデル)は「GEN1」、パチSPARCは「レプ」と書きます。
まずは見た目から。
見た目はAimpoint T-1系の派生品です。
ただ、左側に制御ユニットがついているというのが、SPARC系の特徴です。
GEN1は制御ユニットのサイズがさらに大きく、ボタン数も多い(4ボタン)です。
そう考えるとSPARC IIはデザインが洗練され、シンプルになったといえるでしょうね。
全長はSPARC IIのほうが3mm程度長いです。
細かいことをいえば、GEN1とSPARC IIでは、「SPARC」と「VORTEX」のロゴの位置が入れ替わってます。
SPARC IIは電池キャップにVORTEX社のロゴが入っているので制御ユニットにはモデル名を入れることにしたんでしょうね。
SPARC IIにはレンズキャップが付属します。
内径は約28mmで、GEN1のほか、T1にもつけられるようです。
とはいえ、このキャップはかなりゴツいので、つけるかどうかは好みが分かれるところですね。
私はGunsModifyのT-1用カバーをつけるので、付属カバーはつけない方向でいきます。
ちなみに、このキャップはバトラーキャップよりもはめ込みが浅いので、保護レンズを挟むって方は工夫が必要です。
さて、実用一辺倒の人は気になる「レンズ品質」です。
見ての通り、極低レベルの青味はあるものの、
全体的にかなり高いレベルでクリアです。
(この背景は白のコピー用紙です)
PCのディスプレイ越しにカラーチャートを覗いてみても、どの色も均一に表示されており、どこかの色域が欠けるということもありません。
あ、ちなみに使用したカラーチャートはこれです。保存してお持ち帰りください。(別窓で開きます)
接眼レンズには反射防止の緑系のコーティングがされています。
対物レンズ(前側)です。
Aimpointと同じように、ナイトビジョンに対応したコーティングがされています。
非常に高品質なルビー系多層コートです。
さらに、対物レンズの前に、ブルー系?のコーティングが施された平面レンズが1枚追加されています。
(正直この写真では見えません、ごめんね!)
これはGEN1や他社製ダットサイトではあまり見かけない構造です。
対物レンズはゴミが付着しやすく、ふき取り時にメインの対物レンズに触ることが多いですが、その際にコーティングがはがれたりレンズが外れてしまう危険があるようで、そのことに配慮して装着されたのだと思います。全長がGEN1よりわずかに長い原因はコレでしょうね。
この平面レンズ、光の透過率が非常に高いです。そのせいでメインの対物レンズの反射が丸見えなので、乱反射防止効果はありませんが、視界の邪魔になったり、明るさの低下は感じませんでした。
さらに、内側にネジが切ってあるので、別売りのキルフラッシュ(ARD30)が装着できます。GEN1と共通のようです。
接眼側もネジが切ってあります。
こちらには、GEN1の2xブースターと同じスレッド規格になっており、GEN1を持ってる人はブースターが流用できます。
ただ、このブースターは視界が「ものっっっすごく狭い」ので、実際には外付けのブースターを使うと思いますけどね。
なお、このブースターをレプには付けられません。
また、レプのブースターを実物につけるのも不可です。ネジのピッチに互換性がないようです。
GEN1のレンズ品質も見ておきます。
GEN1も、レンズの品質だけで言うとSPARC IIと同等です。
製造時期の問題だと思いますが、私のGEN1はSPARC IIの発表がなされる直前だったこともあり、かなり高品質でした。
GEN1を実物T-1と比較したことがありますが、そのときGEN1とT-1が同じくらいのクリアさだったので、
それと同等品質のSPARC IIはT-1並にクリアということになると思います。
※このGEN1は2013年10月に米国から直輸入したモデルです。それ以前の時期モデルの一部や、
旧パッケージのモデルについては、レンズの青味が強いものがあるようなので、注意してください。
GEN1のネジ切りはSPARC IIと全く同じなのでアクセサリは共通です。
それに比べてレプリカはというと・・・
写真のように、青味が強いです。
実物の明るさにははるかに及びません。
実用範囲外ということはないですが、値段相応の見え方です。
私が輸入したときは送料込65ドルくらいだったので、そんなもんでしょうね。
最近のルビーコート版パチT-1がかなり明るく、それこそノーベルT1並の個体もあるようなので、それに比べると物足りなさはあります。
レプはレンズの固定方法が実物と異なりリングで押さえる方式です。
マウント固定ネジの穴も貫通式のため、実物のような防水性や曇り止め効果はありません。
この辺は値段の限界というところでしょうか。
エレベーション・ウィンデージダイアルです。
移動量も90MOAと、ダットサイトにしては十分な量があります。1クリック1MOA/1周45クリックだそうです。
T-1と同じくキャップの突起でダイアルを回せます。
が、この突起が小さく回しにくいです。
でもアイアルのネジ部はマイナスドライバーで回せるので現実的な問題はないでしょう。
キャップはワイヤーで留められていて、紛失対策がされています。
GEN1ではワイヤーが本体に接着されていましたが、SPARC IIでは非固定となり、動かしやすくなっています。
レプはこのワイヤーの品質が低く、大体気づいたらちぎれています。
私はレプのワイヤーをDIYした国産品ワイヤーに交換して使ってます。
GEN1もこのあたりはSPARC IIと共通です。
レプはキャップの形状が実物と違います。そして、防水用?のOリングも太く、締め込み感が若干悪いです。
見た目はともかく、ダイアル部分はエレベション・ウィンデージともに割としっかりしている(少なくともパチT-1よりは)ので、実用上は困らないです。
あと、実物もレプもですが、ダイアルは緩めすぎると普通に抜けてしまいます。
実物の場合、下手をすれば充填されたガスが抜けるので緩めすぎは要注意です。
SPARC IIの電池は、調達性の良いCR2032を使います。
GEN1ではCR2354という大きな電池を使っていましたが、コンビニや街の電気屋さんでは買えず、大きい家電量販店や通販でしか電池が買えませんでした。
この辺はユーザーからのフィードバックでこうなったのでしょうね。
ちなみに、電池の持ちは最高輝度で300時間、最低輝度で5000時間だそうです。
GEN1より電池が小さくなったのに、持続時間は伸びてます。変態ですね。
しかも12時間で自動的にシャットダウンされるので消し忘れても大丈夫です。
GEN1との違いは電池の種類だけでなく、接点の方式も違います。
GEN1では本体側にマイナスを、蓋のバネでプラスを拾います。そのため、ふたの締め忘れで接触不良が発生しうる構造でした。
SPARC IIからは本体側だけで接触が完結するようになっており、最悪ふたを閉めなくても電源が拾えます。
実のところ、SPARC IIは電池ぶたにロゴが入るため、それが斜めにならないようにするには電池ぶたの締め込み方に依存しない方式が必要だったのだろうと推測してます。
レプはGEN1のパクリなので、形状はGEN1とほぼ一緒です。
でも電池ぶたのネジ部がアルミでできており、ネジ山の切り口も汚いので、バリ取りが必要です。
また、本体側の電池の接触面は酸化していることがあるので注意です。
マウントはAimpoint T-1用のものが使えるそうです。
私はマウントにはこだわらないので、DYTACやG&PのパチT-1用マウントを加工して使うようにしてます。
パチマウントにはG&Pのように取り付け穴の位置や寸法が合わないものが多いので、原則加工が必要です。
実T-1用なら、寸法は割と厳密に決まっているので心配は少ないですが・・・
SPARC IIでは位置決めの溝(Mae in Chinaのシールが貼ってあるとこ)の幅が広くなっており、より相性問題が生じにくくなっているようです。
消してる部分はシリアルナンバー。
その上は・・・「特許申請中」だそうです。何の特許でしょうね?
なお、SPARC IIをはじめとする、VORTEXのダットサイトの生産は中国で行われているようです。
このコスパのよさは、中国やフィリピンのようなアジア圏で製造を行い、同社は品質管理をするという手法をとっているから実現できるようで、アメリカで生産すれば価格はきっとこの2倍になるんでしょうね。
というか、VORTEX社製品は、性能に対して値段が良心的すぎるというツッコミが多く、光学性能だけで見れば同社の製品は2倍の価格で売られてても不思議じゃないという評価もあるようです。
非コスプレかつ実用重視なら私もSPARCの比較相手はT-1で問題ないと思ってますし、あながちネットの評価も間違ってないんじゃねーの?
GEN1のマウント部分。
溝が若干狭い以外は同じ。
この辺はT-1マウントに規格に合わせて作ってるから、そんなに大きくは変わらないでしょうね。
GEN1やSPARC IIに1本だけ刺さってるプラスネジは、おそらく曇り止め窒素ガス注入用の穴。
ドットの明るさについて
ドットの明るさはかなり重要。
昼は日光に負けない視認性の高さ、夜は視界を遮らない適度な明るさが求められます。
SPARC IIの輝度設定は8段階+NV2段階の合計10段階。
GEN1の輝度設定は10段階+NV2段階の合計12段階。
レプの輝度設定は10段階+NV風ミュートモード1段階の合計11段階です。
SPARC IIのドットは、日中でもはっきりと見えます。
部屋の中ではチューブ内に乱反射していましたが、外で使うにはこれくらいの輝度が必要になるということでしょう。
実際、6月下旬のこの時期に、晴天の昼1時~2時までSPARC IIを持ってランチや買い物に出かけるという不審者ごっこをしましたが、どんな場所でも実際ドットははっきり見えました。
この写真のように白い建物が背景だと若干青味が買った視界になりますが、視認性の悪さは一切ありません。
ドットもほぼ真円で優秀です。
続いてGEN1。写真大き目で。
GEN1もSPARC II同様、視認性の良いドットが燦然と輝いています。
見え方もSPARC IIとほぼ一緒ですが、個人的にはSPARC IIのほうがクセがないように感じました。
実物2つに対してレプは、日中の野外では性能不足が顕著です。
実物と撮影条件をそろえたためか、ドットがほとんど写っていませんが、実際にはもうちょい(あくまで「もうちょい」)だけ視認性はあります。
いや・・・視認性が「ないこともない」、というのが正確でしょうかね。
一回電池の消耗を疑って電池交換をしたんですが、こんなもんでした。
ぶっちゃけ、他のT-1系レプリカよりはるかに最高輝度が低く、炎天下の野外では全く使えない可能性もあります。
ちなみにうちのレプの明るさは、SPARC IIでいうところの2段階目と3段階目の間くらい、GEN1で言えば2段階目と同等の明るさでした。
ただし、こんな実物でも弱点がありあます。
それは「夜のドットの輝度」です。
ぶっちゃけ1段階目でもかなり明るいため、夜は対象物をとらえにくいです。
そういう時はNVモードの明るい方にセットして使ってます。これくらいで十分。
なお、NVモードは「ただ輝度を落としただけ」なので基本見ようと思えば見ることができます。
(見えなかったらごめんね。私はテレビのリモコンとかの赤外線光もわずかに見えてしまう体質なので、もしかしたら見えないかも)
最後に、総評。
低価格・高品質なダットサイトはいくつか機種がありますが、コンパクトな機種といえば、ノーベルT-1とSPARCあたりでしょう。
実用という意味ではパチSPARCは外れそうですが、値段が値段なので、選択肢としては「無きにしも非ず」ですかね。
とはいえ、ルビーコート版パチT-1の性能が高く、あるいはオープン型が安いので、これを抑えてまで買うメリットは少なく感じます。
実物SPARCは、新旧いずれも性能が高く、見え方としては実物T-1に引けを取らないと思います。
さらに、SPARC IIは実売199ドル、GEN1に至っては処分品扱いで160ドル以下で出ているところさえあります。
個人輸入なら、手間はかかりますが送料込みで2万円以下で買えてしまうことを考えると、相当な価格競争力ではないでしょうかね。
ノーベルT-1が1万~1万8千程度であることを考えると、私ならSPARC一択だと思います。
あとはSPARC GEN1とSPARC IIの違い程度でしょうが、多少高くても使いやすさと将来性をとるならSPARC II、純然たるツールとして完全に使い潰すのであればGEN1を選ぶことになると思います。
ちなみに、VORTEX STRIKEFIRE IIっていう手もあるんですけどね。
特に赤緑切り替えができる方は、レンズの透明度が高く、SPARC以上に使いやすいと聞き及んでます。安いしね。
いずれにせよ、コンパクト系でコスパのいいダットサイトならSPARCが決定版だと思いますよ。
付録
撮影環境
ハード:Nikon D90 + AS-F NIKKOR 28-300mm F3.5-5.6G
画質:RAW (Adobe RGB) → JPG (sRGB 8bit)
設定:色温度5000K、色相±0、ビビッド、アクティブDライティング弱、フラッシュなし
現像ソフト:Photoshop Lightroom 5
※F値やシャッタースピードその他詳細は、画像のEXIFデータを参照してください。
※私の感じた色調に近づけるように明るさ等の補正をしています。絶対的な色調を保障するものではありません。
※表示ディスプレイによっては、当方の想定する色調と異なる場合があります。
ネヴリンです。
今日はVORTEX SPARC II のインプレです。
VORTEX OPTICS社(米国)の製造する、コストパフォーマンスのよいダットサイトです。
SPARC IIは2014年春に発売されたばかりの新製品となります。
参照:VORTEX OPTICS SPARC II Red Dot Sight
国内での流通はあるようですが、まだ情報が少ないですね。
今回は、パチSPARCとSPARC(旧モデル)も併せて比較してみたいと思います。
表記がややこしくなるので、SPARC(旧モデル)は「GEN1」、パチSPARCは「レプ」と書きます。
まずは見た目から。
見た目はAimpoint T-1系の派生品です。
ただ、左側に制御ユニットがついているというのが、SPARC系の特徴です。
GEN1は制御ユニットのサイズがさらに大きく、ボタン数も多い(4ボタン)です。
そう考えるとSPARC IIはデザインが洗練され、シンプルになったといえるでしょうね。
全長はSPARC IIのほうが3mm程度長いです。
細かいことをいえば、GEN1とSPARC IIでは、「SPARC」と「VORTEX」のロゴの位置が入れ替わってます。
SPARC IIは電池キャップにVORTEX社のロゴが入っているので制御ユニットにはモデル名を入れることにしたんでしょうね。
SPARC IIにはレンズキャップが付属します。
内径は約28mmで、GEN1のほか、T1にもつけられるようです。
とはいえ、このキャップはかなりゴツいので、つけるかどうかは好みが分かれるところですね。
私はGunsModifyのT-1用カバーをつけるので、付属カバーはつけない方向でいきます。
ちなみに、このキャップはバトラーキャップよりもはめ込みが浅いので、保護レンズを挟むって方は工夫が必要です。
さて、実用一辺倒の人は気になる「レンズ品質」です。
見ての通り、極低レベルの青味はあるものの、
全体的にかなり高いレベルでクリアです。
(この背景は白のコピー用紙です)
PCのディスプレイ越しにカラーチャートを覗いてみても、どの色も均一に表示されており、どこかの色域が欠けるということもありません。
あ、ちなみに使用したカラーチャートはこれです。保存してお持ち帰りください。(別窓で開きます)
接眼レンズには反射防止の緑系のコーティングがされています。
対物レンズ(前側)です。
Aimpointと同じように、ナイトビジョンに対応したコーティングがされています。
非常に高品質なルビー系多層コートです。
さらに、対物レンズの前に、ブルー系?のコーティングが施された平面レンズが1枚追加されています。
(正直この写真では見えません、ごめんね!)
これはGEN1や他社製ダットサイトではあまり見かけない構造です。
対物レンズはゴミが付着しやすく、ふき取り時にメインの対物レンズに触ることが多いですが、その際にコーティングがはがれたりレンズが外れてしまう危険があるようで、そのことに配慮して装着されたのだと思います。全長がGEN1よりわずかに長い原因はコレでしょうね。
この平面レンズ、光の透過率が非常に高いです。そのせいでメインの対物レンズの反射が丸見えなので、乱反射防止効果はありませんが、視界の邪魔になったり、明るさの低下は感じませんでした。
さらに、内側にネジが切ってあるので、別売りのキルフラッシュ(ARD30)が装着できます。GEN1と共通のようです。
接眼側もネジが切ってあります。
こちらには、GEN1の2xブースターと同じスレッド規格になっており、GEN1を持ってる人はブースターが流用できます。
ただ、このブースターは視界が「ものっっっすごく狭い」ので、実際には外付けのブースターを使うと思いますけどね。
なお、このブースターをレプには付けられません。
また、レプのブースターを実物につけるのも不可です。ネジのピッチに互換性がないようです。
GEN1のレンズ品質も見ておきます。
GEN1も、レンズの品質だけで言うとSPARC IIと同等です。
製造時期の問題だと思いますが、私のGEN1はSPARC IIの発表がなされる直前だったこともあり、かなり高品質でした。
GEN1を実物T-1と比較したことがありますが、そのときGEN1とT-1が同じくらいのクリアさだったので、
それと同等品質のSPARC IIはT-1並にクリアということになると思います。
※このGEN1は2013年10月に米国から直輸入したモデルです。それ以前の時期モデルの一部や、
旧パッケージのモデルについては、レンズの青味が強いものがあるようなので、注意してください。
GEN1のネジ切りはSPARC IIと全く同じなのでアクセサリは共通です。
それに比べてレプリカはというと・・・
写真のように、青味が強いです。
実物の明るさにははるかに及びません。
実用範囲外ということはないですが、値段相応の見え方です。
私が輸入したときは送料込65ドルくらいだったので、そんなもんでしょうね。
最近のルビーコート版パチT-1がかなり明るく、それこそノーベルT1並の個体もあるようなので、それに比べると物足りなさはあります。
レプはレンズの固定方法が実物と異なりリングで押さえる方式です。
マウント固定ネジの穴も貫通式のため、実物のような防水性や曇り止め効果はありません。
この辺は値段の限界というところでしょうか。
エレベーション・ウィンデージダイアルです。
移動量も90MOAと、ダットサイトにしては十分な量があります。1クリック1MOA/1周45クリックだそうです。
T-1と同じくキャップの突起でダイアルを回せます。
が、この突起が小さく回しにくいです。
でもアイアルのネジ部はマイナスドライバーで回せるので現実的な問題はないでしょう。
キャップはワイヤーで留められていて、紛失対策がされています。
GEN1ではワイヤーが本体に接着されていましたが、SPARC IIでは非固定となり、動かしやすくなっています。
レプはこのワイヤーの品質が低く、大体気づいたらちぎれています。
私はレプのワイヤーをDIYした国産品ワイヤーに交換して使ってます。
GEN1もこのあたりはSPARC IIと共通です。
レプはキャップの形状が実物と違います。そして、防水用?のOリングも太く、締め込み感が若干悪いです。
見た目はともかく、ダイアル部分はエレベション・ウィンデージともに割としっかりしている(少なくともパチT-1よりは)ので、実用上は困らないです。
あと、実物もレプもですが、ダイアルは緩めすぎると普通に抜けてしまいます。
実物の場合、下手をすれば充填されたガスが抜けるので緩めすぎは要注意です。
SPARC IIの電池は、調達性の良いCR2032を使います。
GEN1ではCR2354という大きな電池を使っていましたが、コンビニや街の電気屋さんでは買えず、大きい家電量販店や通販でしか電池が買えませんでした。
この辺はユーザーからのフィードバックでこうなったのでしょうね。
ちなみに、電池の持ちは最高輝度で300時間、最低輝度で5000時間だそうです。
GEN1より電池が小さくなったのに、持続時間は伸びてます。変態ですね。
しかも12時間で自動的にシャットダウンされるので消し忘れても大丈夫です。
GEN1との違いは電池の種類だけでなく、接点の方式も違います。
GEN1では本体側にマイナスを、蓋のバネでプラスを拾います。そのため、ふたの締め忘れで接触不良が発生しうる構造でした。
SPARC IIからは本体側だけで接触が完結するようになっており、最悪ふたを閉めなくても電源が拾えます。
実のところ、SPARC IIは電池ぶたにロゴが入るため、それが斜めにならないようにするには電池ぶたの締め込み方に依存しない方式が必要だったのだろうと推測してます。
レプはGEN1のパクリなので、形状はGEN1とほぼ一緒です。
でも電池ぶたのネジ部がアルミでできており、ネジ山の切り口も汚いので、バリ取りが必要です。
また、本体側の電池の接触面は酸化していることがあるので注意です。
マウントはAimpoint T-1用のものが使えるそうです。
私はマウントにはこだわらないので、DYTACやG&PのパチT-1用マウントを加工して使うようにしてます。
パチマウントにはG&Pのように取り付け穴の位置や寸法が合わないものが多いので、原則加工が必要です。
実T-1用なら、寸法は割と厳密に決まっているので心配は少ないですが・・・
SPARC IIでは位置決めの溝(Mae in Chinaのシールが貼ってあるとこ)の幅が広くなっており、より相性問題が生じにくくなっているようです。
消してる部分はシリアルナンバー。
その上は・・・「特許申請中」だそうです。何の特許でしょうね?
なお、SPARC IIをはじめとする、VORTEXのダットサイトの生産は中国で行われているようです。
このコスパのよさは、中国やフィリピンのようなアジア圏で製造を行い、同社は品質管理をするという手法をとっているから実現できるようで、アメリカで生産すれば価格はきっとこの2倍になるんでしょうね。
というか、VORTEX社製品は、性能に対して値段が良心的すぎるというツッコミが多く、光学性能だけで見れば同社の製品は2倍の価格で売られてても不思議じゃないという評価もあるようです。
非コスプレかつ実用重視なら私もSPARCの比較相手はT-1で問題ないと思ってますし、あながちネットの評価も間違ってないんじゃねーの?
GEN1のマウント部分。
溝が若干狭い以外は同じ。
この辺はT-1マウントに規格に合わせて作ってるから、そんなに大きくは変わらないでしょうね。
GEN1やSPARC IIに1本だけ刺さってるプラスネジは、おそらく曇り止め窒素ガス注入用の穴。
ドットの明るさについて
ドットの明るさはかなり重要。
昼は日光に負けない視認性の高さ、夜は視界を遮らない適度な明るさが求められます。
SPARC IIの輝度設定は8段階+NV2段階の合計10段階。
GEN1の輝度設定は10段階+NV2段階の合計12段階。
レプの輝度設定は10段階+NV風ミュートモード1段階の合計11段階です。
SPARC IIのドットは、日中でもはっきりと見えます。
部屋の中ではチューブ内に乱反射していましたが、外で使うにはこれくらいの輝度が必要になるということでしょう。
実際、6月下旬のこの時期に、晴天の昼1時~2時までSPARC IIを持ってランチや買い物に出かけるという不審者ごっこをしましたが、どんな場所でも実際ドットははっきり見えました。
この写真のように白い建物が背景だと若干青味が買った視界になりますが、視認性の悪さは一切ありません。
ドットもほぼ真円で優秀です。
続いてGEN1。写真大き目で。
GEN1もSPARC II同様、視認性の良いドットが燦然と輝いています。
見え方もSPARC IIとほぼ一緒ですが、個人的にはSPARC IIのほうがクセがないように感じました。
実物2つに対してレプは、日中の野外では性能不足が顕著です。
実物と撮影条件をそろえたためか、ドットがほとんど写っていませんが、実際にはもうちょい(あくまで「もうちょい」)だけ視認性はあります。
いや・・・視認性が「ないこともない」、というのが正確でしょうかね。
一回電池の消耗を疑って電池交換をしたんですが、こんなもんでした。
ぶっちゃけ、他のT-1系レプリカよりはるかに最高輝度が低く、炎天下の野外では全く使えない可能性もあります。
ちなみにうちのレプの明るさは、SPARC IIでいうところの2段階目と3段階目の間くらい、GEN1で言えば2段階目と同等の明るさでした。
ただし、こんな実物でも弱点がありあます。
それは「夜のドットの輝度」です。
ぶっちゃけ1段階目でもかなり明るいため、夜は対象物をとらえにくいです。
そういう時はNVモードの明るい方にセットして使ってます。これくらいで十分。
なお、NVモードは「ただ輝度を落としただけ」なので基本見ようと思えば見ることができます。
(見えなかったらごめんね。私はテレビのリモコンとかの赤外線光もわずかに見えてしまう体質なので、もしかしたら見えないかも)
最後に、総評。
低価格・高品質なダットサイトはいくつか機種がありますが、コンパクトな機種といえば、ノーベルT-1とSPARCあたりでしょう。
実用という意味ではパチSPARCは外れそうですが、値段が値段なので、選択肢としては「無きにしも非ず」ですかね。
とはいえ、ルビーコート版パチT-1の性能が高く、あるいはオープン型が安いので、これを抑えてまで買うメリットは少なく感じます。
実物SPARCは、新旧いずれも性能が高く、見え方としては実物T-1に引けを取らないと思います。
さらに、SPARC IIは実売199ドル、GEN1に至っては処分品扱いで160ドル以下で出ているところさえあります。
個人輸入なら、手間はかかりますが送料込みで2万円以下で買えてしまうことを考えると、相当な価格競争力ではないでしょうかね。
ノーベルT-1が1万~1万8千程度であることを考えると、私ならSPARC一択だと思います。
あとはSPARC GEN1とSPARC IIの違い程度でしょうが、多少高くても使いやすさと将来性をとるならSPARC II、純然たるツールとして完全に使い潰すのであればGEN1を選ぶことになると思います。
ちなみに、VORTEX STRIKEFIRE IIっていう手もあるんですけどね。
特に赤緑切り替えができる方は、レンズの透明度が高く、SPARC以上に使いやすいと聞き及んでます。安いしね。
いずれにせよ、コンパクト系でコスパのいいダットサイトならSPARCが決定版だと思いますよ。
付録
VORTEX SPARC II | VORTEX SPARC | SPARCタイプレプリカ | |
倍率 | 1倍 | 1倍/ブースター装着時2倍 | 1倍/ブースター装着時2倍 |
対物レンズ径 | 22mm | 22mm | 22mm |
アイリリーフ | 無限 | 無限 | 無限 |
パララックス設定 | パララックスフリー | パララックスフリー | 不明 |
調整ステップ | 1MOA | 1MOA | 約1MOA程度? |
1周当たりの移動量 | 45MOA | 45MOA | 約45MOA程度? |
エレベーション | 90MOA | 90MOA | 約90MOA程度? |
ウィンデージ | 90MOA | 90MOA | 約90MOA程度? |
全長 | 81mm | 78mm | 80mm |
重量(本体のみ) | 129g | 131g | 142g |
ドットサイズ | 2MOA円形 | 2MOA円形 | 円形 |
ドットカラー | 赤 | 赤 | 赤 |
レンズコーティング(対物) | ルビー系多層(NV対応) | ルビー系多層(NV対応) | ルビー系 |
レンズコーティング(接眼) | グリーン系 | グリーン系 | 青系? |
バッテリー | CR2032 | CR2354 | CR2354 |
連続時間(最大輝度) | 300時間 | 120時間 | 24時間以下 |
連続時間(最低輝度) | 5000時間 | 3400時間 | 不明 |
マウント | ハイ/ロー/ライザー Aimpoint T-1互換 |
ハイ/ロー/ライザー Aimpoint T-1互換 |
ハイ/ロー/ライザー |
ショックプルーフ | .375 H&H 1000発以上 | .375 H&H 1000発以上 | 不明 |
ウォータープルーフ | 有り | 有り | 無し |
フォグプルーフ | 有り(窒素ガス) | 有り(窒素ガス) | 無し |
価格 | $199前後(MSPR$289) | $199前後(MSPR$289) | 7000円~10000円 |
撮影環境
ハード:Nikon D90 + AS-F NIKKOR 28-300mm F3.5-5.6G
画質:RAW (Adobe RGB) → JPG (sRGB 8bit)
設定:色温度5000K、色相±0、ビビッド、アクティブDライティング弱、フラッシュなし
現像ソフト:Photoshop Lightroom 5
※F値やシャッタースピードその他詳細は、画像のEXIFデータを参照してください。
※私の感じた色調に近づけるように明るさ等の補正をしています。絶対的な色調を保障するものではありません。
※表示ディスプレイによっては、当方の想定する色調と異なる場合があります。
おはようございます。ご無沙汰しております!
VORTEXのサイトやっぱり「実」はいいですね~。
半年前に、ちょっと変わったサイトが欲しくて、「レプ」を購入したんですが・・・
まったく使わず、安値で放出しましたよ。。。
やっぱり、「実」にはかないませんね~。
VORTEXはVIPERが気になってましたがSPARCも良さそうですね
これから流行りそうな予感のするVORTEXです
そうですね。やっぱり光学サイトは実銃用に限りますね。一度この世界に入ったら抜け出せそうにありません。
特にVORTEXはお値段以上のクオリティを持っているものが多いのでお気に入りのメーカーです。
軍曹殿
VORTEXは、民生用の売れ行きが北米でも好調なようで結構人気がありますね。
そしてぼちぼち米軍などでの採用が始まっており、既に一部モデルにはITAR規制も入ってるくらいですから確実に流行るでしょうねw
そして実は私、SPARC IIと並行してVIPER PST 1-4x24mm TMCQ MOAも注文しちゃってますw
注文したのはMOAモデルなんですが、ずっと在庫切れが続いていて、注文してからすでに1.5ヶ月が経過してます。
現地でも2か月待たされてやっと届いたとかいう記事を見かけますので、このモデルの人気はかなり高いようですよ。
MRADモデルやキャップ式ターレットのモデル、パワーダイアルが古いモデルならすぐに手に入るんですが、高い買い物なのでここは妥協できません。
ところで、VIPER PSTまでのつなぎにと思って試しに買ってみた、
Bushnellの「AR Optics 1-4x24mm Throw Down PCL」
が予想外のハイクオリティでして、もうこれでいいんじゃね?とか思うくらいです。(それでもVIPER PSTは買います)
VIPER PSTが届いたら、併せてレビューしてみたいと思います。
AR Optics 1-4x24mm Throw Down PCL 30K程で買えるので当方も気になってました
ズームダイヤルには可倒式のレバーも備えられていてゲーム中の射撃中に倍率の変更が可能で実用本位で中々良さそうです
近くにお住まいなら何より「像」を覗かせて頂きたかったw
Vipreレポート楽しみにしております
因みにお買い求め先はナッ○○スっすか?
AR Opticsですが、買ったのはNatc(ryではなくweby(ryというところです。
どこにも情報が載っていないサイトでしたが、なんとか購入できました。
ただ問い合わせ時のレスポンスとか発送の迅速性は他の北米系ネットショップに比べて著しく劣りますので、ここでの購入はお勧めできません。
あと、Natc(ryではメーカーとの契約上の理由でVIPER PSTは輸出できないとのことですのでご注意ください!
sparcⅡについて気になることがあったので報告です~。
どうもsparcⅡについてもレンズの青みに差があるようです。某オクで手に入れた個体は、旧モデルsparcよりは薄いものの青みがあり、米から仕入れた個体はほぼ青みなしでした。
どーやら工場?機械?ごとに個体差があるようです。やはり価格の限界でしょうか。
なるほど、SPARC IIにも個体差があるんですね。
ようつべに今年4月頭ごろSPARC IIの先行販売品のレビューが上がっていて、それがやや青み掛かっていたのは知っていたのですが、これはてっきりカメラの特性の問題なんだと思っておりました。
もしかすると本当に価格の限界で、実用上のスペックさえ満たしていれば販売されてしまっているのかもしれませんね。
でも不思議なことに私は直輸入オンリーでハズレを引いたことはありませんし、TMS TAKESHIN98様も直輸入版はアタリ個体だったようですね。
もしかすると、アタリ個体を引くポイントは、「米国市場流通向けのショップ(出来れば正規ディーラー店)」と「自分で交渉」して購入することであり、国内外のオクに並んでいる商品や、中間業者を通ったものはスルーした方が無難なのかも知れませんね。