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  MASADA ACR 調整02 - 2011年12月31日

こんばんは。来年まであと数十分。
今日の晩メシは鍋です。年越しソバは中華そばを鍋につっこんで済ませます。

さて、前の記事の続きです。

分解が終わりましたので、さっそくカスタムパーツでデコっていきます。
セミのレスポンスと静穏性を両立させるカスタムを目指します。

レシピは、
メカボ:純正
モーター:SYSTEMA AtoZショート
ギア:SS ベアリングINギアセット(16:1)
軸受:ミネベア DDRF-830
シリンダー:SHS ステンレス放熱フルサイズ
シリンダーヘッド:SYSTEMA Energyサイレント(SIG550/AUG用)
ピストン:Modify クァンタムピストン
ピストンヘッド:SYSTEMA Energyサイレント
スプリング:LAYLAX プロメテウス90SP
スプリングガイド:ARMY FORCE ベアリング付
ノズル:WiiTech ホップチャンバー and エアタイトノズル
タペットプレート:純正
バレル:純正加工
配線:シリコン銀0.75sq
FET:なし
バッテリー:ET1 7.4v1400mAh30C

なんかほぼ全部カスタムパーツですね^^;
この総額だけでAEG1丁くらい買えると思います。

さて、中身に入っていきます。

まずはギアと軸受けから。
軸受けは、セクターのみ純正のステンレス削り出しを使い、スパーとベベルのみベアリング軸受に交換します。

MASADA ACR 調整02

(※比較のため、ベベルがミネベア、スパーは純正、セクターは純正削り出し)

一般的にはハイサイ系であれば、すべてベアリング軸受に替えたりしますが、今回のセクターギアにはすでにベアリングが入っているので、セクターは純正を使います。
スパーとベベルに使う軸受けですが、自衛隊の89式小銃9mmけん銃でおなじみのミネベア製のベアリングを使います。
2012/09/21追記:記述に誤りがあったので修正しました。

前使っていたSHSのエアガン用8mmベアリングは精度が悪く、オイルが切れたらゴリゴリ言い始めるし、ぐらぐらしてきます。そこで、エアガン用の選別品を買おうと思いましたが、6つで3000円程度するということもあり、工業用製品に走りました。

MASADA ACR 調整02


ベアリング軸受は、NTNやNSK(日本精工)、NMB(ミネベア)などがあります。
精度とか強度で言うとNTN>NSK>NMBだったりするんですが、値段も同じ順に並びます。
NTN製の8mmベアリング「FLW693」は、動荷重560N/静荷重180N、許容回転速度63000rpm
NSK製の8mmベアリング「F693」は、動荷重560N/静荷重179N、許容回転速度67000rpm
NMB製の8mmベアリング「RF-830」は、動荷重553N/静荷重176N、許容回転速度不明(多分60000rpm前後)
まあいずれにせよミネベア製が若干スペックは低いですが、誤差程度だと思います。
これらはいずれも並級(JIS0級)の精度ですが、AEGにはこれで十分です。というか、安物中華よりはるかに高精度ですからね。回してみると全然違いますよ。
決め手となるのは値段です。同型番を調べてもらったらわかりますが、ミネベア製が1個250円くらいです。NSKはその1.3倍、NTNに至っては2倍近くします。

ちなみにACRのメカボのフランジ用の溝ですが、こいつが曲者です。

MASADA ACR 調整02


2012/09/21追記:内容に誤りがあったため、修正しました。


JIS規格のベアリングの場合、フランジ外径が、メカボックスのフランジの掘り込みの内径と同じか小さい場合があります。
また、SHS等の強化ギアを使用する場合、フランジの厚みが付属の軸受けより厚いため、スパーギアがスムーズに回らない場合があります。


エンドミルを使ってフランジの外径の掘り込みを10mmに拡大します。
んで、この加工をすると角にバリが立ってしまうので面取りします。

MASADA ACR 調整02


これらの軸受けをネジロック剤で固定します。
瞬着とかと違って衝撃に強いですが、加熱しないと外せなくなるので覚悟が必要です。
まあ、外す時は軸受けの穴に60W以上の半田ごてをしばらく当てとけば溶けて外れるんですけどね。

さて、次にピストンです。
前の記事でも書いたように、ACRのメカボはピストンレールがタイトなので、ピストンを加工しないと入りません。(ハイスピ系のポリカなら入りますが、強化型は無理です。SSのフルティース14枚歯はいけますよ。)
クァンタムピストンをつける場合、まずピストン側の溝を削っていきま。フライス盤なんて高級なマチーンはないので、棒やすりで削ります。えっと、左右を大体0.2mmずつくらい削りました。
んで、今度はピストン側の突起を削ります。同メカボは、溝が円形になっているので、ピストンの突起も円になるように斜めに削っていきます。

MASADA ACR 調整02


削ったものをメカボに入れて、自重だけでスルッと動くようになれば完成です。
これを脱脂洗浄して次の工程に移ります。

ピストンにピストンヘッドを取り付けます。使っているピストンヘッドはシステマエナジーです。
旧サイレントヘッドに、吸気穴を変えられる機構を追加したもので、値段も安めなのでお勧めです。ライラとかSHS、LONEXなどの、テーパーがかかったシリンダーヘッドにも使えそうな感じです。
ちなみにこれ、スラストベアリングがついていて、後ろからねじ止めする典型的なカスタムヘッドです。
ねじが緩むと、ピストンがピストンヘッドの軸の段差に乗り上げてピスクラする(経験済み)ので、ネジロック剤でしっかりとめておきます。

MASADA ACR 調整02


シリンダーはSHSのステンレス製です。安いです。700円で買えます。
数あるシリンダーの中でなぜSHSかというと、ACRのシリンダーは外径25.6mmで、マルイサイズのシリンダー外径より太いです。なのでマルイと互換性のあるものだとぐらつきが生じます
これは最終的に振動の源になり、最終的にはメカボのひび割れ・破損につながるので、外形のやや大きめのSHS製にしました。中華製のボアアップや、強化シリンダーだとこのサイズに近いようです。

次はノズルです。
Wii Techという海外製のホップチャンバーについてきたノズルで、金属製です。

MASADA ACR 調整02


左が純正で、右がWiiTechです。
ノズルの長さはWiiTechの方が長いので、気密面で有利です。弾の保持位置は純正と同じなので、送弾不良などはありません。ただし、吸気用の爪がないので、給弾不良などが起こった場合ピストンの後退が若干遅れてピスクラする可能性があるので注意が必要です。
私はそれが起きないように、丸やすりで吸気用の溝をうす~~く掘っておきました。
ノズルの中には気密取り用のOリングが入っています。このOリングがシリンダーヘッドのパイプの先端に引っかかって入れにくいので、耳かきを使って入れました。
余談ですが、外国のレビューサイトの中には、このノズルとチャンバーを合わせて使うと初速が10%程度上がるとありますが、1Jセッティングではほとんど変わりませんません。(チャンバーとノズルのみ交換、個体差?)
むしろ、ノズル延長によって弾に当たる空気の効率やルートが安定するため、結果としてホップや初速が安定するのではないかと考えられます。初期ロットのACRにはマストアイテムかも。

次は配線周りのチューンです。
これに関しては写真を撮ってなかったので、交換後の写真がないです。ゴメンなさい。
先の記事でオムロン製のスイッチのことを書きましたが、このロットのマイクロスイッチは接点が強化されていたので、スイッチはそのままで配線のみ変えました。
配線は大阪・日本橋のデジットで購入した、テフロン銀メッキ0.75sqの導線を使っています。ライラのEGエレメントコードよりmあたりの単価が安かったと思います。前の電子工作のときのあまりなので、詳細は忘れました。

MASADA ACR 調整02


以前のスイッチは接点部分の面積が小さく薄い導体でできていたんですが、このロットでは接点が強化されており焼き付き耐性が上がっているようです。
ちなみに、当初FETを組もうと思って、IRLB3034を用意していたんですが、ゲートに電圧をかける抵抗とか、電圧安定用のコンデンサとかのパーツが入ったケースを紛失しちゃったので組んでいません。

最後に、これらを全部組み込んだらこんな感じになります。(配線だけ交換前のものです)

MASADA ACR 調整02


MASADA ACR 調整02


モーターはその辺に転がっていたシステマAtoZです。トルクもスピードもバランスがよく高性能なのですが、幾分電気を喰いまくるので外してました。動いてる時はハンパなくキレがいいですけど。
最初は手持ちのガーダーのハイスピレボリューションをつけようと思っていたんですが、こないだ試運転中に軸が一切回らなくなった(手で回そうとしても無理)ので今はクリーニング待ちのジャンク箱の中です。なんか引っかかってるのか?
ちなみに本来はSYSTEMA ENERGYモーターが良かったんですが、思いついた時点で国内外ほぼすべて売り切れで入手できませんでした。誰か持っている人がいたら譲ってください。正値で買いますから><

さて、これらを組み込んでサイクルチェックしてみました。
7.4v1400mAhのリポで、20~21発/sです。セミのキレは抜群にいいですが、サイクルが若干早いのは気に入りません。どうにかサイクルを落としたいなと思います。

次回はホップやバレル周りのチューンを書いていこうと思います。

それでは、良いお年をー。。。






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Posted by ネヴリン  at 23:05 │Comments(5)AEG (Assault rifle)

この記事へのコメント
ホントにACR愛してるなー
2代目買ってるし中身に妥協してないし最高だわw
ただFETが残念だけど(汗
マイクロスイッチにFET。。。半永久的!?
後サイクルダウンだけどノズル絞るのはどう?
藤○氏のP-90も絞ってるけどキレはよかったでしょ?
Posted by ○ぼ at 2012年01月09日 16:54
ミネベアって9mm拳銃を国に納入してるんでしたっけ?

そこまで考えてるなんて、素敵
あたしゃ濡れちゃうわーーーー
Posted by 通りすがりの高校生 at 2012年01月24日 22:08
あ、ミネベアって9mm拳銃でしたw
89式小銃は豊和ですね、失礼しましたw
Posted by ネヴリンネヴリン at 2012年01月24日 22:36
ミリベアフランジが9.2(830Y52)ってのがあるけどダメなのかな~
Posted by masaZ at 2013年03月20日 07:28
masaZ様

ミネベアのDDRF-830Y52はこの記事を書いた後気づいて、NTNの同等品FLBC3-8と共に何個か調達し、現在はそちらを組み込んでいます。
薄型はフランジ径が小さいことと、フランジの厚みが通常型(DDRF-830やFLW693など)より薄いなのでシムの調整幅が広がり、より電動ガンに適したサイズになっているとは思います。

ただ、薄型は調達性が非常に悪いので、軸受け、ギア、メカボ間で厚みの相性が悪い個所にのみ使用し、それ以外は出来るだけ通常型を使用するようにしています。
スペースに余裕があるのであれば、通常型を使うほうがコスト的にも強度的にもメリットは大きいと思います。
Posted by ネヴリン at 2013年03月20日 15:08
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